前回までで、過去20年間における日本の格差拡大の歴史を見てきましたが、その結果大きな問題が起こっています。それは労働生産性の格差です。
1人の労働者が1年間に生み出す価値を労働生産性と言います。
労働生産性=給与+利益
逆に言えば労働生産性とは、それ以上の給与を会社が支払うと、決算が赤字になる限界です。
平成24年の、産業別・企業規模別の労働生産性を比較したものが下記グラフです。
最も生産性の高いのは、情報通信の大企業で2000万円です。いわゆるドコモやAUですね。
最も生産性が低いのは、宿泊業・飲食サービス業の中小企業で300万円です。医療・福祉の中小企業も同じく300万円です。つまり、年間300万円以上の給与を支払えない業種と言えます。
この格差を埋めなければ、多くの就労者を抱える日本のサービス業で雇用者報酬が増えず、政府がいくら好況と唱えても実感できる景気、いわゆるまちかど景気は改善されません。
ここから生まれている問題を次回はさらに掘り下げます。
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